トヨタが世界初の一般向けハイブリッドカー「プリウス」を発売してから、各メーカーがハイブリッドカーを次々発売してきました。
ハイブリッドカーの先駆けであるトヨタが誇る最高級Lクラスミニバン、ヴェルファイアにもハイブリッドモデルがラインナップされています。ハイブリッドカーにはガソリン車にはない専用バッテリーが搭載されています。
しかし、昔のイメージからかハイブリッドカーのバッテリーは高くて所有中に何回か交換しなければならず、維持費が高いと思っている人も多いかと思います。今でもそれは変わらないのでしょうか。ヴェルファイアハイブリッドに搭載しているバッテリーの種類や寿命、交換費用を紹介します。
Contents
ヴェルファイアハイブリッドバッテリーはどれだけもつの?

StockSnap / Pixabay
トヨタが世界初に一般向けハイブリッドカー「プリウス」を販売してからハイブリッドカーは常識となりました。ミニバンにもハイブリッドモデルがラインナップされるのが当たり前です。ヴェルファイアも例外ではなく、ハイブリッドモデルがあります。
そもそもハイブリッドカーとは、従来のガソリン車のようにエンジンだけで駆動するのではなく、モーターを使用する車のことです。燃料を多く使用する発進などをモーターでアシストすることで低燃費化を実現しています。
ハイブリッド車にはハイブリッド車用のバッテリーがあります。
メーカー保証は5年だけど10年はもっているのが一般的
ハイブリッドカーはニッケル水素電池を走行用のメインバッテリーに使用しています。ニッケル水素電池は約500回の充放電が寿命の目安だといわれています。しかし、ハイブリッドカーはブレーキをかけたときに充電します。つまり運転していればかなりの回数充放電を繰り返すことになります。
しかし、ハイブリッドカーのメインバッテリーがすぐにダメになってしまったという話は聞きません。メーカーも5年間の保証を付けています。ただ、実際にハイブリッドカーに乗っている人は10年間持っているというのが一般的です。
充放電を繰り返すといってもコンピューターで電力をコントロールしているので長寿命を実現しています。
走行距離なら20万キロ~23万キロもつのが一般的
メーカー保証では10万キロとなっていますが、こちらも実際は2倍近い20万キロ~23万キロもつのが一般的です。
以前は電力を制御するコンピューターが未熟だったため、メーカー保証のタイミングでバッテリーを交換する必要が出ていました。それもかなり高額だったため、ハイブリッドカーは維持にお金がかかるというイメージがある人も多いようです。
しかし実際はそれほどバッテリーを交換する必要はありません。
ヴェルファイアハイブリッドのバッテリーの故障について

GoranH / Pixabay
以前より交換する頻度が少なくなったといっても機械には故障はつきものです。ヴェルファイアハイブリッドのバッテリーも故障がないわけではありません。故障にはどんなものがあるのでしょうか。
バッテリーが劣化してくると電圧にバラツキが出る
バッテリーが劣化して十分に充電できなくなってくると、電圧にバラツキが出てきます。コンピューターのほうでバラツキを解消するために、均等充電機能が働きます。
最初はたまに!進行すると誤作動が増えてエラー表示が!
均等充電機能が作動数頻度が高くなってくるとエラー表示が出ます。エラーが表示されても走行できますが、モーターが使用できなくなるので、ハイブリッド車最大に利点である低燃費性が損なわれます。
そのまま走行していれば最悪車が動かなくなることも考えられるのでエラー表示が出たら早めにメーカーに修理を依頼しましょう。
△SOC値が40%以上になると交換する時期
△SOC値とはバッテリーの充電率のバラツキのことです。機械では100%充電したつもりでも、バッテリー残量にバラツキが出てしまう状態です。この値が大きいほどバラツキ大きくなります。新品時は0%に近く、充放電を繰り返すことで値が大きくなっていきます。
メーカーは△SOC値が40%以上になったら交換するように推奨しています。
ヴェルファイアハイブリッドのバッテリーを交換したら幾ら?

nattanan23 / Pixabay
ガソリン車用のバッテリーは自分で交換する人も多いと思います。しかし、ハイブリッドカー用のバッテリーは形も大きく違い、電圧も高いため専門的な知識がない場合は感電など事故の危険があるため、自分で交換するのは避けましょう。
そうなるとメーカーに頼むようになりますが、バッテリー交換を依頼した場合、幾らかかるのでしょうか。
交換費用は工賃込みでおよそ25万円ほどかかる
プリウスやアクアなどのバッテリー交換費用は15万円ほどですが、ヴェルファイアハイブリッドは少し割高で工賃込み25万円です。ただ、ヴェルファイアハイブリッドは販売された時期的にバッテリー交換の時期に達していないため、事例が少なくデータがあまりありませんでした。
補機バッテリーの交換をすると費用は割高でおよそ4万円程度
ハイブリッド車は走行用のメインバッテリーとは別に補機バッテリーという2つ目のバッテリーを搭載しています。ヴェルファイアハイブリッドも例外ではありません。
補機バッテリーもハイブリッド車用のものを付ける必要があるので、ガソリン車が2万円弱に対して4万円と少し割高です。
ヴェルファイアハイブリッドの補機バッテリーって何?

Pexels / Pixabay
ハイブリッドカーには走行用のメインバッテリーとは別に、補機バッテリーというものがあると紹介しました。
そもそも補機バッテリーとは何なのでしょうか。ハイブリッド車専用のものになりますが、ガソリン車用のバッテリーとは何が違うのでしょうか。代用はできるのでしょうか。紹介します。
制御系の電源を供給するためのバッテリー
補機バッテリーとは、走行用の電源を供給するメインバッテリーとは別に、制御系の電源を供給するためのバッテリーです。走行用バッテリーの充電、室内等その他電子機器などに使用するなど、補機といっても重要な役割を担っています。
多くのハイブリッドカーでは室内に設置されることが一般的です。ヴェルファイアの場合、ラゲッジスペース内にあります。
ガソリン車に搭載されているのと似たハイブリッド用バッテリー
ハイブリッド車用の補機バッテリーはガソリン車に使用されているバッテリーと同じような形をしています。ガソリン車に使用されているものを同じく12Vです。
ガソリン車用バッテリーとの違いは、補機バッテリーは車内に設置される場合が多いため、充電時に発生するガスを外に逃がす機能が必要になります。ガソリン車用バッテリーにはこの機能はないので、代用ができず、ハイブリッド車専用のバッテリーが必要になります。
補機バッテリーの寿命は3年~4年と短め!
走行用のメインバッテリーが10年近くもつのに比べて補機バッテリーは3年~4年で寿命を迎えるので注意が必要です。
走行用メインバッテリーがバッテリー上がりすることはほとんどありません。ハイブリッド車のバッテリー上がりとは多くの場合この補機バッテリーが上がってしまったことを指します。
メインバッテリーが充電されていても補機バッテリーが上がってしまうとドアが開かないなどの症状があるので、ヘッドライトや室内灯をつけっぱなしにしたりしないように注意しましょう。
走行用のメインバッテリーに比べて物も手に入りやすく、中には自分で交換している人もいるので、寿命の時期が近づいてきたら、こまめに点検、交換しましょう。
ヴェルファイアハイブリッドのバッテリーまとめ

Free-Photos / Pixabay
以前は、ハイブリッド車のバッテリーはもちが悪く、価格や工賃も高かったですが、ハイブリッド車の普及に伴い、新型が出れば出るほど寿命が長く、工賃も安くなってきています。
ヴェルファイアもほかの車種より割高といっても初代プリウスの交換費用70万円に比べたらかなり安くなっていまし、20万キロちかく走行してようやく交換時期になるので交換する前に手放すこともあるかもしれません。
ただ、走行用のメインバッテリーとは別に補機バッテリーがあります。補機バッテリーがバッテリー上がりとなってしまうことはよくあります。寿命もメインバッテリーより短いので注意しましょう。
ハイブリッド車は低燃費で走行音も静かでモーターアシストによる発進も快適です。特にヴェルファイアのハイブリッドモデルは高級Lクラスミニバンとして人気が高く、快適なドライブができます。
昔のイメージだけでハイブリッド車だからといって維持費がかかると思い込まずに、快適なヴェルファイアハイブリッドを検討してはいかがでしょうか。